Lesson3 “The World’s Most Bicycle-friendly City”

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皆さんは、どのくらいの頻度で自転車に乗りますか?

毎日という人もいれば、たまにという人もいるかもしれませんね。

日本では、自転車での移動が13%を占めています。

これは、下記の国の中では比較的高い割合です。

最近、自転車が注目されています。

自転車は、温室効果ガスを排出しない、環境にやさしい交通手段だからです。

さらに、人々の健康維持にもつながります。

糖尿病やがんなどの病気になるのを防いでくれるかもしれません。

体型が崩れている人は運動を始めたほうがいいでしょうし、サイクリングはいい選択肢です。

ヨーロッパの多くの都市では、人々にサイクリングを習慣づけるために積極的な取り組みが行われています。

デンマークの首都コペンハーゲンは、その中でもリーダー的存在です。

世界一の自転車都市を目指し、ユニークな政策を実施しています。

Copenhagen(名)コペンハーゲン 《デンマークの首都》
occasionally(副)時折,時たま
comparatively(副)比較的に,わりあいに,かなり
eco-friendly(形)生態系に優しい
emit(動)〈光・熱・香気などを〉放射する
greenhouse(名)温室
diabetes(名)糖尿病
Denmark(名)デンマーク
implement(動)〈契約・計画などを〉履行する,実行する,実施する; 〈要求・条件・不足などを〉満たす

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コペンハーゲンが具体的にどんなことをしてきたのか、確認してみましょう。

まずはじめに、「グリーンウェイブ」を見てみましょう。

サイクリストが時速20kmを維持している限り、主要なバイシクルルートのラッシュアワーでは、信号がずっと青であります。

道路信号は、サイクリストの動きと同時に操作されます。

以前は、自転車のスピードがバラバラだったため、渋滞が発生していました。

今は、時速20kmというかなり速いスピードでみんなが自転車を走らせています。

そのため渋滞がないのです。

確かに、もっと速く走りたいというサイクリストもいますが、特にラッシュアワーでは他のサイクリストにとって危険な存在になりかねません。

グリーンウェイブは、スピードを出しすぎると、赤信号で捕まってしまうため、そのような人々を安全な速度で走行させることができます。

グリーンウェイブは、効率を犠牲にすることなく、誰もが最も安全な速度でサイクリングできるようにします。

cyclist(名)自転車乗り 《人》
rush(動)急ぐ,急行する; 急いで行動する
simultaneously(副)同時に; 〔…と〕同時に
congestion(名)密集,(人口の)過剰; 過密; (交通などの)渋滞
fairly(副)公正に,公平に
sacrifice(名)犠牲(にすること)
efficiency(名)能率(的なこと)

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また、市街地には「バイシクルスネーク」と呼ばれる自転車用の橋が架かっています。

この橋はサイクリストの近道として機能しており、ウォーターフロントの印象的な景色を見ることができます。

その名の通り、緩やかに蛇行しています。

緩やかにカーブしているため、スピードの出し過ぎを防ぎ、誰もが安全に走行できます。

さらに、コペンハーゲンと周辺地域を結ぶ自転車高速道路も数多く建設されています。

これは、郊外の住民に自転車通勤や通学を奨励するために作られたものです。

住民によると、利用するのが楽しくて仕方がないそうです。

森の中を通るルートもあります。

「森の中の静けさを楽しみながら通勤できる」と、ある利用者は満足げに語ります。

こうした自転車専用ルートのおかげで、コペンハーゲンはサイクリストのパラダイスに変貌を遂げました。

「車を置いてくればよかった」と言う運転手が増えているのも不思議ではありません。

span(動)〔橋などを〕かける
shortcut(名)近道
waterfront(名)水辺地帯; 湖岸[海岸]通り,ウォーターフロント; 河岸(かし)
gently(副)優しく,穏やかに,静かに
curve(名)曲線,カーブ
cruise(動)〈自動車が〉経済速度で走る
safely(副)安全に,無事に
superhighway(名) (多車線の)高速幹線道路
suburban(形)郊外の[に住む], 市外の[にある]
resident(形)居住する,在住の
commute(名)通勤,通学
commute(動)通勤[通学]する; (通勤・通学に)列車[バス]に乗る
absolute(形)絶対の,絶対的な
peacefulness(名) 静かで平穏なこと
approvingly(副)賛成して,満足げに
transform(動)〈性質・機能・用途などを〉(すっかり)変える
paradise(名)天国
motorist(名)自動車を運転する人

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意外なことに、コペンハーゲンの都市計画担当者はかつて、他の交通手段よりも自動車を優先していました。

しかし、1970年代の石油危機をきっかけに、石油に頼らなくてもいいように交通システムを見直すことになりました。

それ以来、グリーンウェーブやバイシクルスネークなど、自転車のインフラを整備してきました。

その結果、都心に行くには車よりも自転車の方が早く行けるようになりました。

そしてより多くの人が車ではなく自転車で移動するようになりました。

このように、自転車にやさしい政策によって、都市をより健康的で魅力的なものにすることを「コペンハーゲン化」と呼ぶようになりました。

ニューヨークもコペンハーゲンを模倣しています。

駐車場を道路の真ん中に設置するようになったのです。

その方法は「保護自転車レーン」政策と呼ばれ、自転車レーンへの車の進入や駐車を防ぐことができます。

その結果、自転車の通行量は1.6倍になりました。

しかも、事故も少なくなっています。

他の多くの都市も、より持続可能で住みやすい地域社会を構築するために、「コペンハーゲン化」する可能性があるのではないでしょうか。

コペンハーゲンモデルは、世界をより良い方向に変えようとしています。

surprisingly(副)驚くほど(に), 非常に
planner(名) 立案者,計画者,企画係; 設計者
crisis(名)危機,決定的段階,重大局面
revise(動)〈本などを〉改訂する,訂正する; 校閲[校正]する
install(動)〔…に〕取り[据え]付ける
infrastructure(名)(社会・経済などの)基盤;基盤となる施設,インフラ
downtown(副)商業地区に[で], 都心部に
attractive(形)人を引きつける,魅力的な
adopt(動)〈意見・方針などを〉採用する,(自分のものとして)取り入れる
consequently(副)その結果(として), 従って
sustainable(形)持続できる; 耐えうる
livable(形) 住むことに、同居することに適する、に適している