Reading2 “Fly, Dakota, Fly!”

それは海も穏やかな一日でした。

突然、空から大きな音が響きわたりました。

一機の飛行機が雲から出てきて、海岸線へと飛んでいきました。

村人が“敵が来た!逃げろ!生きるために!”と叫びました。

破損した飛行機が浜辺に墜落したとき、おびえた村人達は野原を走り抜けました。

peaceful (形)穏やかな
loud (形)大きい,うるさい
roaring (形)とどろく,騒がしい
airplane (名)飛行機
shoreline (名)海岸線
villager (名)村人,村民
enemy (名)敵,かたき
frightened (形)おびえた

1946年1月14日、11人の兵士を乗せたダコタ空軍機が佐渡島の小さな村の近くに上陸しました。

それは第二次世界大戦が終わった直後です。

日本とイギリスはわずか5ヶ月前まで敵同士でした。

村人達は驚き、近づくのを恐れました。

しかし、勇敢で若い女性、チヨコは、“彼らはけがをしているかも知れません。私たちが助けなくてはなりません!”と言いました。

その後、二人の兵士が飛行機から出てきました。

チヨコは“大丈夫ですか?”と尋ねました。

彼らが彼女の優しい声を聞いたとき、兵士は安らぎを感じました。

Royal Air Force (名)英国空軍
tiny (形)ごく小さい
approach (動)~に近づく
brave (形)勇敢な

チヨコの父であるシンタロウは村長でした。

彼は11人のイギリス人兵士をどのように扱うかを決めなければなりませんでした。

当時、多くの若い男性がまだ戦争から帰って居らず、戦争中に多くの人達が亡くなりました。

そのため、残っている村人のほとんどが子どもや女性、高齢者でした。

シンタロウは地元のリーダーと供に会議を開きました。

リーダーの内何人かは以前の敵を受け入れたくないという人もいました。

そのほかの人達は兵士を無視するのは間違っていると感じました。

シンタロウは彼ら全ての意見を注意深く聞きました。

それから、彼は立ち上がり断言しました。

“私たちには、天皇から犯罪者まで困窮している人を誰でも受け入れてきた歴史があります。

困っている人を助けることは佐渡の人間の精神の一部です。

イギリス兵士は遠くから来て、困窮しています。

彼らを助けるべきです。”

最終的に、全てのリーダー達が村長の決定に同意しました。

mayor (名)市長,村長
deal (名)扱い
therefore (副)それ故に,したがって
remaining (形)残っている,残りの
leader (名)リーダー,指導者
former (形)以前の
ignore (動)~を無視する
opinion (名)意見
firmly (副)しっかりと
whoever (代)<~する人はだれでも/td>
emperor (名)皇帝,天皇
criminal (形)罪を犯した
decision (名)決定

会議の後すぐに、イギリス兵士達は地元の宿に泊まるように招待されました。

しかし、彼らは日本の習慣やマナーに慣れていませんでした。

部屋では靴を脱ぐように言われたとき、彼らは困惑しているようでした。

彼らの中には生の魚を食べることを嫌う人もいました。

兵士と村人の間には多くのコミュニケーションの問題もありましたが、少しずつお互いを受け入れ、理解し始めました。

巨大な冬の嵐が島を襲った時、彼らの関係はより強くなりました。

村人達はロープを使い、心配している兵士達が丘へ飛行機を引き上げるのを手伝いました。

その後、みんなが笑い、とても幸せでした。

inn (名)宿屋
manner (名)方法
puzzled (形)困惑した
remove (動)~を取り除く
raw (形)生の
relationship (名)関係
storm (名)嵐,暴風雨
worried (形)心配して
rope (名)ロープ

嵐の後、イギリスのキャプテンは村長に別の問題を手伝うことを頼みました。

イギリス兵士達は浜辺に500メートルの滑走路を建設したいと思っていました。

それはとても難しい要求でした。

そのような長い滑走路を作るための素材や設備はその島にはありませんでした。

しかしながら、村人達はより佐渡の人間の精神を見せることに決めました。

彼らは40日間懸命に働き、イギリス兵士達が滑走路を建設するのを手伝いました。

最終的に彼らは滑走路を完成させました。

滑走路は村人達が背中で運んできた岩でできていました。

runway (名)滑走路
request (動)~を頼む

イギリス人が島を去る前に、村人達は送別会を開きました。

兵士達は見知らぬ人として到着しましたが、現在では名誉ある客として去って行きました。

最後に、地元の学生達がパーティーに参加し、イギリス人にとってなじみ深いメロディーで歌を歌い始めました。

それは蛍の光、オールド・ラング・サインとしても知られていました。

みんなが笑顔で手をつなぎ最後に一緒に合唱しました。

ついにダコタに村を去る日が来ました。

村人達はダコタが離陸するのを見るために集まりました。

村人達は“飛べ、ダコタ、飛べ!”と応援しました。

彼らが祈ると、飛行機は彼らが一緒に建設した滑走路で段々とスピードを上げました。

そしてついに、飛行機は地面を安全に離陸し、空に向かっていき、雲の中へと消えていきました。

farewell (名)別れ
stranger (名)見知らぬ人
honor (名)尊敬,敬意
schoolchildren (名)学童,生徒
melody (名)歌,歌曲
Auld Lang Syne (名)オールド・ラング・サイン
chorus (名)合唱
gradually (副)段々と
gain (動)~を獲得する
lift (動)~を持ち上げる
disappear (動)見えなくなる