Lesson1 “Ito Jakuchu-The Rediscovered Artist”

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強烈な“若冲ブーム”は興味をそそる現象です。

20世紀の終わりまで、若冲はほとんど忘れられていました。

しかし、彼は今日本の最も人気のあるアーティストの1人です。

2016年、446,000人が東京の若冲展示に訪れ、最大320分行列に並ばなければならない人もいました。

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どうしてそのような人気のあるアーティストが忘れられていたのでしょうか?

伊藤若冲は18世紀の京都絵画団体の多くの有名な絵師の1人でした。

しかしながら若冲はたった数人の信心深い仏教徒である弟子しか居らず、彼の傑作は寺院に寄付されました。

それらの1つは30幅の鳥と花が描かれた絵、動植綵絵でした。

明治時代初期の間に宮内庁に移された後、滅多に一般に展示を催さず、それゆえ彼は段々と忘れられました。

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人々は第二次世界大戦後に再び若冲に興味を見せ始めました。

1953年、ジョープライスというアメリカのコレクターがニューヨーク市のアンティークショップで小さな墨絵を見たとき、それを買わずにはいられませんでした。

彼は後にその絵が若冲によるものだと知りました。

多くの他のコレクターは嫌がりましたが、プライスは時々日本を訪れて若冲の絵を集め続け、彼はそれらを見たい皆のために展示しました。

このコレクションなしでは、若冲は再発見されなかったでしょう。

boom(名)好況,ブーム
intriguing(形)興味をそそる
circle(名)円,仲間,団体
devout(形)振興深い
Buddhist(名)仏教徒
Colorful Realm of Living Beings(名)動植綵絵
scroll(名)巻物
transfer(動)~を移す,移動させる
Imperial Household Agency(名)宮内庁
seldom(副)滅多に~ない
accordingly(副)それに応じて,したがって
Joe Price(名)ジョープライス
ink(名)インク,墨
antique(形)骨董の,アンティークの
resist(動)~に抵抗する,反抗する
purchase(動)~を購入する
collection(名)収集物,コレクション

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インターネットを含む現代のメディアは、最近の若冲ブームで役割を果たしてきました。

京都での2000年の展示への訪問者は全員、彼の江戸芸術の一般的な特徴ではない鮮やかな絵を賞賛しました。

彼らは若冲の芸術に向けての驚きと賞賛をインターネットで知らせ、美術館へ行ったことがない若い人々を展示に引き寄せました。

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現代のテクノロジーは若冲の裏彩色や枡目描のような作品の秘密を明らかにしています。

裏彩色はキャンバスの後ろから絵を着色する方法です。

彼は本当に欲しかった色を追及するためにこの技術を使ったのかも知れません。

桝目描は芸術作品を約1平方センチメートルのグリッドに分割し、それらを個別に着色する技術です。

これは現代のテレビが画像を画面に映す方法と似ています。

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伝説によると、若冲が“自分の作品が本当に評価されるまで1000年でも待つ。”と言いました。

彼は彼の絵を描く方法と考えが彼の人生のずっと先も誰も理解できないと信じていたに違いありません。

しかし、若冲は私たちが彼の絵の価値を実際に理解している過程であることを知って喜んでいるでしょう。

長い待ちについに終わりが来ることでしょう。

admire(動)~に感心する,敬服する
vivid(形)生き生きとした,鮮やかな
characteristic(形)特有の
praise(名)賞賛の言葉,ほめる
technology(名)科学技術
reveal(動)~を明らかにする
secret(形)秘密の,内緒の
canvas(名)カンバス,画布
pursuit(名)追求,探求
artwork(名)アートワーク,芸術作品
grid(名)格子,碁盤目
centimeter(名)センチメートル
legend(名)伝説,言い伝え