Lesson3 “Sending Canned Mackerel to Space”

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2018年、JAXAが宇宙食としてサバ缶を認定しました。

開発したのは福井県立若狭高等学校です。

高校生としては初めての承認でした。

生徒たちはどのように宇宙食を作ったのでしょうか。

この学校には海洋科学コースがあります。

魚を加工する設備があります。

福井はサバが有名なので、サバ缶の製造に使われることが多いのです。

2006年、同校は食品安全の特別認証であるHACCPを取得しました。

その後、生徒たちは、HACCPがもともとNASAが宇宙食の製造のために開発したものであることを知りました。

この事実を知った生徒たちは、大いに刺激を受けました。

2007年、宇宙食としてサバ缶を製造するための計画を立て始めました。

canned (形)缶詰にした
mackerel (名)サバ
approve (動)〈…を〉(正式に)承認する,認可する
develop (動)〔…に〕発達させる,発展させる
approval (名)(正式の)承認,認可
facility (名)設備; 施設 《図書館・病院など》
process (名)過程,経過; 成り行き,進行
production (名)生産,産出,製造,製作
certificate (名)証明書,証明
inspire (動)〈人を〉鼓舞する,激励する,発奮させる

2

サバ缶は、JAXAの要求を満たす必要がありました。

サバ缶を作る上で、大きく2つの困難がありました。

1つ目の難関は、粘りのあるソースを作ることでした。

宇宙飛行士が食事をするとき、液体が宇宙ステーションの中で浮遊してはいけません。

何度も試行錯誤を繰り返した結果、学生たちは解決策を見つけました。

葛粉をソースに加えるのです。

ついに十分な粘りが出ました。

2つ目の問題は味です。

宇宙では、宇宙飛行士の味覚が鈍くなる可能性があります。

そのため、宇宙食には強い味付けが必要なのです。

そこで、実際に宇宙へ行くことなく、どの程度の味付けがベストなのかを見つけようと、学生たちは試行錯誤を繰り返しました。

醤油や砂糖の量を変えて何度も試作し、ベストなバランスを探りました。

そして、ついにレシピが決定しました。

requirement (名)必要とするもの,必要品; 必要条件
difficulty (名)難しさ,困難
sticky (形)ねばねばする,べとつく,粘着する; ねばねばしたものがついた
liquid (形)液体の,液状の; 流動体の
float (動)(水上・空中を)浮動する,漂う
attempt (動)a〈…を〉試みる,企てる
solution (名)解決(策), 解明,解答
starch (名)でんぷん質の食物
dull (形)〈感覚が〉鈍い
flavor (名)(独特の)味,風味
amount (名)量,額
recipe (名)〔料理の〕調理法,レシピー

3

12年間の試行錯誤の中で、300人以上の生徒がこのプロジェクトに関わりました。

2018年に彼らのサバ缶が認可された後、日本の宇宙飛行士である若田光一さんが学校を訪れました。

商品を試食したところ、「いい味で、ご飯に合う」と笑顔で話してくれたそうです。

学生たちの宇宙食は、2019年に国際宇宙ステーションに打ち上げられました。

学生たちのおかげで、日本の宇宙飛行士は故郷の味を楽しむことができます。

学生たちは、自分たちの達成感を喜んでいます。

しかし、彼らはまだ製品の改良に意欲を燃やしています。

学生たちの一人は、「まだまだ試したいことがたくさんあります。日本の宇宙飛行士だけでなく、海外の宇宙飛行士にも地元のサバを楽しんでもらいたいですね」と話していました。

trial (名)試み,試験,ためし
error (名)誤り,間違い
involve (動)巻き込む,巻き添えにする
launch (動)発射する,発進させる,打ち上げる
accomplishment (名) 成果,業績
motivate (動)〈…に〉動機[刺激]を与える,興味を起こさせる
improve (動)〈…を〉改良する,改善する,進歩[上達]させる