Part1
神奈川のこども医療センターで働いている犬がいます。
どうしてそこにいるのか知っていますか?
驚いたことに、この犬、ベイリーはその病院の医療スタッフメンバーでした。
彼は病院にいる子供たちを訪れ、彼らがリラックスする手助けをするために近くで座っています。
彼はまた、子供たちと手術室に同伴し、どのように薬を飲むのか見せ、看護婦が血のサンプルをとるときに彼らを穏やかにさせ、歩行訓練や運動療法に参加しました。
勤務時間中は、いつも森田優子がそばにいました。
彼女は、彼の監督と世話をすることを仕事とするハンドラーでした。
ベイリーは2012年からこの病院でフルタイムで働いていました。
このような犬は “ファシリティドッグ “と呼ばれます。
ベイリーは日本の病院で働く最初のファシリティドッグでした。
medical | (形)医学の,医療の |
---|---|
center | (名)(活動などの)中心地,集中した所; (施設・設備などの)総合地域[施設], センター |
Bailey | (名)ベイリー |
staff | (名)職員,部員,局員,スタッフ |
accompany | (動)〈人が〉〈別の人に〉同行する,ついていく |
operating | (形)手術のための |
calm | (形)〈海・天候など〉(波やあらしがなく)穏やかな,静かな |
blood | (名)血,血液 |
sample | (名)見本,標本,サンプル |
therapy | (名)療法 |
handler | (名)(馬・犬などの)調教師 |
supervise | (動)〈人・仕事などを〉監督する,管理する |
full-time | (名)(労働・勤務などの)全時間 |
facility | (名)設備; 施設 《図書館・病院など》 |
Part2
どのようにしてベイリーは病院のファシリティドッグになったのでしょうか?
まずは、ハンドラーである優子さんのもとでさまざまなトレーニングを受けました。
例えば、脳に障害のある人への接し方です。
また、感染症予防の方法も学びました。
当初は、犬が入院患者さんに与える衛生面の問題も懸念されました。
しかし、適切な管理、適切なワクチン接種により、その心配は解消され、仕事に集中できるようになりました。
次に、ベイリーは静岡県立こども病院で基礎試験を行いました。
この試用期間を経て、同病院での本格的な勤務が始まりました。
この時、ベイリーの有用性には疑問がありました。
しかし、信じられないかもしれませんが、彼は人間にできないことをいとも簡単にやってのけました。
例えば、脳腫瘍の手術を繰り返した少年を助け、笑顔を取り戻させました。
また、話すことも体を動かすこともできなかった男の子が、ベイリーのおかげで目を開けられるようになりました。
brain | (名)脳,脳髄 |
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disorder | (名)(心身機能の)不調,障害; (軽い)病気 |
infection | (名)(病毒の)空気伝染,感染 |
hygiene | (名)衛生; 健康法 |
concern | (動)〈ことが〉〈…に〉関係している,関係をもつ; 〈…に〉かかわる,重要である,〈…の〉利害に関係する |
appropriate | (形)適当な,適切な,ふさわしい |
management | (名)経営,管理,経営力; 経営の方法; 経営学 |
proper | (形)適切な,ふさわしい; ちゃんとした |
vaccination | (名)ワクチン接種; 種痘 |
ease | (名)(仕事などを休んでの体の)楽,安楽 |
trial | (名)試み,試験,ためし |
basis | (名)基礎,根拠; 原理,原則,基準 |
doubt | (動)〈…かどうかを〉疑う |
usefulness | (名)有用,有益 |
repeated | (形)繰り返した,たびたびの |
surgery | (名)(外科)手術; 外科的処置 |
tumor | (名) 腫瘍(しゆよう) |
Part3
ファシリティドッグの効果については、いくつかの興味深い研究結果が示されています。
ハンガリーで行われた実験では、犬は人間と同じように人間の感情を読み取ることに成功しました。
また、日本での実験では、驚くべき事実が判明しました。
犬と飼い主が見つめ合うと、飼い主の体内でオキシトシンというホルモンが生成されたのです。
これは痛みや不安を和らげる働きがある物質です。
犬の目を見ると患者さんが安心するのは、このような理由もあるのでしょう。
ベイリーが子どもたちを助けたというエピソードがあります。
手術を受ける多くの子どもたちが、ベイリーに一緒に手術室に行ってほしいと希望したのです。
手術が怖かったのに、ベイリーと一緒だと落ち着くし、リラックスできるのだそうです。
このような精神状態は、ある治療を受ける子どもたちにとって、薬の量を減らすという意味でも重要なことでした。
ベイリーは、子どもたちをリラックスさせるだけでなく、治療の効果を高めることにも貢献したのです。
provide | (動)〈…を〉提供する,与える |
---|---|
evidence | (名)〕〈…という〉証拠 |
effect | (名)(結果を引き起こす)効果; 影響 |
experiment | (名) (科学上の)実験 |
conduct | (名)(道徳上から見た人の)行為,品行 |
Hungary | (名)ハンガリー |
manage | (動)事を処理する,経営する,管理する |
emotion | (名)強い感情,感激,感動 |
owner | (名)持ち主,所有者,オーナー |
intently | (副)熱心に,専念して |
hormone | (名)ホルモン |
oxytocin | (名)オキシトシン |
substance | (名)物質,物 |
anxiety | (名)心配,不安 |
relieved | (形)ほっとした,安心した表情の |
operation | (名)手術 |
scared | (形)おびえた |
mental | (形)心の,精神(的)の |
state | (名)状態,ありさま,様子 |
particular | (形)特有の,独特の; 個人としての |
treatment | (名)待遇,扱い |
medication | (名)薬物治療[処理] |
enhance | (動)〈(すでにすぐれた)質・能力などを〉(さらに)高める,増す |
Part4
ベイリーは8年間の病院勤務で、約3,000人の子どもたちを支援しました。
2018年10月16日、病院施設犬として引退しました。
彼の引退セレモニーには、たくさんの子どもたちが集まりました。
セレモニーでは、小学生の安田結衣さんがベイリーへの深い感謝の気持ちを込めて
「ベイリーは友達です。私が不安なとき、苦しいとき、ベッドで一緒に寝て、支えてくれました。ありがとう、ベイリー。いつもありがとうございます。人生を楽しんでください。よく食べて健康でいてください。」
ベイリーの仕事は、日本初の雌ファシリティドッグ、アニーに引き継がれました。
先輩のベイリーからたくさんのことを学びながら、落ち着いて仕事に取り組んでいます。
日本では数少ない病院でのファシリティドッグ。
その大きな理由は、コストです。
1頭のファシリティドッグがその任務を全うするためには、年間1,000万円近い費用がかかります。
しかし、ファシリティドッグは患者さんやそのご家族にとって大切な医療従事者なのです。
どうしたらいいのでしょうか?
retire | (動)退職する,退役する |
---|---|
retirement | (名)退職,退役 |
appreciation | (名)真価(を認めること), 評価 |
uneasy | (形)不安な,心配な,気にかかる |
Annie | (名) アニー |
female | (名)(動物の)雌 |
senior | (名)先輩,先任者,古参; 上役 |
calmly | (副)静かに,穏やかに,冷静に |
engaged | (形)〔…に〕従事して,携わって,忙しくして |
major | (形)過半(数)の,多数の |
per | (前)…につき,…ごとに |
fulfill | (動)〈義務・職務などを〉果たす,遂行する |
duty | (名)義務,本分 |
solution | (名)解決(策), 解明,解答 |
カテゴリー