Part1
山田周生はエコカー「バスコファイブ号」で世界一周をしたフォトジャーナリストです。
その車は植物油で走ります。
使用済みの植物油からバイオディーゼル燃料を作る機械を搭載しています。
彼の「バイオディーゼル・アドベンチャー」には2つの目的がありました。
ひとつは、廃油だけでどこまで走れるかを調べることです。
もうひとつは、彼の冒険を世界中の人々と分かち合うことです。
旅の間、廃油はすべて世界中の多くの人々から彼に贈られました。
山田が彼らから受け取ったのは廃油だけではありません。
食べ物や宿泊場所、温かい励ましももらいました。
様々な人種、様々な国の人々との出会いは、山田にとってかけがえのない贈り物でした。
biodiesel | (名)バイオディーゼル |
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adventure | (名)冒険; 冒険心 |
glocal | (名)グローカリゼーション |
photojournalist | (名)フォト[写真]ジャーナリスト,写真報道家 |
drive | (動)運転する |
purpose | (名)目的,意図 |
examine | (動)〈…を〉調査する,検査する,審査する; 考察[吟味]する |
race | (名)人種 |
Part2
2007年12月、山田の冒険はカナダのバンクーバーから始まりました。
北米を走り抜け、ワシントンD.C.、大西洋を横断し、ポルトガルのリスボンに上陸しました。
その後、灼熱のアフリカの砂漠を抜けてヨーロッパへ、そして凍てつくような寒さのロシアの平原へと旅を続けました。
彼がようやく日本に帰ってきたのは2008年12月のことでした。
1000人以上からもらった6,540リットルの廃油を使い、47,853キロを走破しました。
旅を始める前、山田はあることを心配していました。
世界中で使われているすべての種類のオイルがバスコファイブ号に使えるかどうかについてです。
しかし、彼は迷うことなくエンジンをかけました。
この経験から、彼は考えを実践することの大切さを学びました。
drive | (動)運転する |
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sail | (名)帆走,遊航; 航海,船旅 |
Atlantic | (形)大西洋の,大西洋岸(付近)の |
land | (名)陸,陸地 |
blazing | (形) 燃えている; 焼けつくような; まばゆい |
African | (形)アフリカの |
desert | (名)砂漠 |
freezing | (形)凍る(ような), 非常に寒い[冷たい] |
Russian | (形)ロシア(人,語)の |
plain | (形)明白な,わかりやすい,明瞭な |
liter | (名)リットル |
thousand | (名)(基数の) 1000,千; 1000 ドル[ポンド(など)] |
worried | (形)心配そうな; 当惑した,迷惑そうな |
hesitate | (動)〈…するのを〉ためらう; 〈…〉したくない |
Part3
帰国後、2009年4月から再びバスコファイブ号で日本一周の旅に出ました。
2011年3月11日、岩手県で東日本大震災が起こるまでは順調でした。
突然、彼は行く先々でライフラインが完全に寸断されていることに気づきました。
何千人もの人々がどうすればいいのか途方に暮れました。
ありがたいことに、山田にはバスコファイブ号というこの状況で完璧な機械がありました。
ガソリンなしで発電し、ラジオやインターネットにアクセスできます。
山田は、「バスコファイブ号が持つ情報拡散能力を活かせば、人々を救うことができるかもしれない。今こそ行動する時だ!」と考えました。
そして、復興支援活動を始めました。
そして、バスコファイブ号の自給自足能力が、これからの持続可能な地域づくりに役立つことを実感しました。
support | (動)〈施設などを〉(財政的に)援助する |
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reconstruction | (名)再建,復興,復元,改造 |
earthquake | (名)地震 |
lifeline | (名)救難索,救命索; (潜水夫の)命綱 |
loss | (名)喪失,紛失,遺失 |
thankfully | (副)感謝して |
generate | (動)〈熱・電気などを〉(物理的・化学的に)発生させる,生じる,起こす |
provide | (動)供給する |
access | (動)〈…に〉アクセスする,〈…を〉呼び出す |
gasoline | (名)ガソリン |
ability | (名)〈…することが〉できること[能力] |
self-sufficient | (形)自給自足の; 〔…を〕自給できて |
community | (名)共同社会,共同体,コミュニティー; 地域社会 |
Part4
山田は今、世界での経験をもとに、岩手での持続可能な地域社会づくりに取り組んでいます。
彼が目指すのは「グローカル」な自給自足モデルです。
「グローカル」とは、グローバルとローカルの2つの言葉を組み合わせた造語となります。
「グローバルに考え、ローカルに行動する」という意味です。
山田は「グローカル」な人間であるとみなすことができます。
山田のプロジェクトに興味を持ち、岩手のエコビレッジを訪れる若者が増えています。
山田は、不確実性に満ちた時代を生きる強さを若い人たちに持ってほしいと願っています。
山田は「最初は必要なものがすべて手に入るとは限りませんが、躊躇せずに行動してください。すでに決まっている道を探すのではなく、自分の道を切り開くために一歩を踏み出すのです。」と言います。
aim | (動)〔…を〕めざす,志す |
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self-sufficiency | (名)自給自足 |
coin | (動)〈新語などを〉造り出す |
globally | (副)世界的に(見ると), 地球規模で |
locally | (副)特定の場所で,地元では; 地方的に |
regard | (動)〈…を〉〈…だと〉みなす,考える |
project | (名)(大規模な)計画,企画 |
eco-village | (名)エコビレッジ 持続可能性を目標としたまちづくりや社会づくりのコンセプト、またそのコミュニティ |
uncertainty | (名)不確実,確信のなさ,半信半疑 |
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