Section1
私は長い間、たくさんの童話を書いてきました。
その中のひとつ、『魔女の宅急便』はご存じでしょうか。
この作品は、英語、フランス語、スウェーデン語、その他多くの言語に翻訳されました。
若い魔女、キキがこの物語の主人公です。
13歳になった彼女は、本物の魔女になるために家を出ます。
ジジという名の猫と一緒にほうきで新しい町へ飛び立ちます。
宅配便を始め、新しい町で受け入れられるように努力します。
彼女は読者にポジティブな生き方を教えてくれるのです。
私はこれまでずっと、物語を書くことが好きでした。
だから、2018年に国際アンデルセン賞を受賞したことを光栄に思っています。
imagination | (名)創造[創作]力,構想力 |
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delivery | (名)(手紙・品物などの)配達,…便 |
service | (名)(他人に対する)奉仕 |
translate | (動)〔…へ〕訳す,翻訳する |
witch | (名)魔女,女魔法使い |
broom | (名)ほうき |
honor | (名)名誉,栄誉; 面目,体面 |
award | (動)〈人に〉〈賞与などを〉(審判・熟慮のうえで)与える; 〔人に〕〈賞与などを〉与える |
Section2
魔女の宅急便をはじめとする私の作品は、私の想像力から生まれました。
それは幼少期に発展したものです。
私が5歳の時、母が亡くなりました。
お盆の時期になると、父は母がそこにいるかのように話しかけていました。
「おかえりなさい。家具を動かしたぞ。ぶつからないように気をつけろよ」と彼女に言います。
母の姿は見えないけれど、一緒にいると信じていました。
そして、見えない世界に興味を持つようになりました。
私は子どもの頃からお話が好きでした。
父によく絵本を読んでもらいました。
10代になると、来る日も来る日も本を読みました。
特にハッピーエンドの物語が好きでした。
childhood | (名)幼年時代,幼時; 幼年 |
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furniture | (名)家具,備品,調度 |
bump | (動)〈…に〉ドンと打ち[突き]当たる |
although | (接)…であるが,…だけれども,とはいえ |
curious | (形)物を知りたがる; 好奇心の強い,もの好きな,せんさく好きな |
invisible | (形)目に見えない |
teenager | (名)ティーンエイジャー |
ending | (名)(物語・映画などの)終局,末尾,大詰め |
Section3
物語をつくるとき、登場人物のイメージは重要です。
魔女の宅急便は、娘の絵から生まれました。
それは、ほうきに乗った魔女のシンプルな絵でした。
その絵を見て、私は登場人物を想像しました。
娘のような少女が、ニューヨークの高層ビル上を飛んでいるのだと想像しました。
登場人物の名前も欠かせません。
私は幼い頃、学校が好きではありませんでした。
でも、ある日、先生が私の名前を覚えていてくれて、「エイコちゃん」と呼んでくれたのです。
とてもうれしかったです。
だから、物語を書くときは、登場人物の名前をよく考えます。
魔女に「キキ」と名付けたら、魔女が隣にいるような気がしてきました。
そして、「いっしょに飛ぼう」とささやきました。
drawing | (名)図画,デッサン,素描 |
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skyscraper | (名)超高層ビル,摩天楼 |
essential | (形)欠くことのできない,必須の,非常に重要な |
given | (形)与えられた,定められた,一定の |
whisper | (動)〔人に〕ささやく,ひそひそ話をする 〔to〕; 〔人の耳に〕ささやく |
Section4
私は新しいことを経験するのが好きです。
このことは、私の物語や人生に影響を与えています。
24歳のとき、夫と一緒にブラジルに住むことにしました。
新しい世界を見るのがとても楽しみでした。
胸がときめくのを感じました。
キキも同じような経験をしています。
見知らぬ町へ旅立つとき、ジジは「本当に魔女になりたいのか」と問いかけます。
「ええ、もう自分で決めたんです」と答えます。
実際、キキは旅立つとき、うれしそうな顔をしています。
彼女は「とてもワクワクする。まるでプレゼントの箱を開けたみたい」と言います。
この感覚は、まさに私がブラジルに向かうときに感じたものです。
新しい世界に飛び込むと、いつも刺激を受け、想像力が膨らみます。
beat | (動)〔…を〕どんどん打つ |
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unknown | (形)未知の,不明の,未詳の |
reply | (動)答える,返事をする,応答する,答弁する |
expand | (動)拡大する,拡張する,拡充する |
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