Lesson1 “Incredible Edible”

Part1

「マーク、あなた。夕食用のほうれん草とレモンが足りないから、警察署と病院から採ってきてくれないか？」

「わかったよ、ママ」

これは北イングランドのトッドモーデンと呼ばれる小さな町での普通の会話です。

トッドモーデンでは、町中で様々な野菜と果物が育っているのを見ることができます。

教会の前や駐車場の角、警察署でさえ見ることができます。

それらはすべて「食べられ」、自由に持っていけます。

トッドモーデンは世界中から注目を受けています。

毎年多くの旅行者がこの人口2万人未満の小さな町に訪れます。

彼らの目的は「食べられる町」や「食べられる景観」を楽しむことです。

15年前、トッドモーデンの人口は減少を続けて、衰退していました。

しかし、「インクレディブルエディブル」運動がトッドモーデンを生き生きとした町に変えました。

Part2

すべては2008年に始まりました。

トッドモーデン在住のパム・ワーハーストは、衰退していく故郷を憂いていました。

彼女と友人たちは、経済を活性化させ、人々を結びつける方法を見つけたいと思いました。

そして彼女は、誰もが毎日食べるものである「食」が人と人との架け橋となりうると着目しました。

パムとインクレディブル・エディブルのメンバーは、町中の空き地に野菜や果物、ハーブなど食べられる植物を植え始めました。

やがて、食用の庭がいたるところで見られるようになりました。

公共の場所に何かを植えるには、通常、許可を得るための複雑な手続きが必要です。

驚いたことに、地元の役所は町民のやっていることを認めてくれたのです。

行政と住民が一体となって、地域の持続可能な発展を目指したのです。

Part3

インクレディブル・エディブルはトッドモーデンの教育にも影響を与えています。

すべての小学校が校庭で野菜を栽培しており、子供たちは野菜について学ぶことができます。

年間を通して、普段はスーパーマーケットで買う野菜しか知らなかった子供たちが、野菜をじっくり観察することができます。

地元の高校では、農業が正式な教科となっています。

収穫したものは学校の調理室で使われたり、地元のレストランに卸されたりします。

この運動のおかげでビジネスが繁栄しました。

「インクレディブル・エディブル・グリーン・ルート」というツアーがあり、観光客が劇的に増えました。

ルート沿いには、地元のアーティストがデザインした、植物の名前を知らせるカラフルでおしゃれな看板がたくさんあります。

レストランやパブでは、地元の料理を提供できるようになりました。

このように、インクレディブル・エディブルは地域の多くの人々に恩恵をもたらしています。

Part4

パム・ワーハーストは言います。

「私たちの行動は巧みでも独創的でもないが、包括的です。

これは特別な人のためではなく、すべての人のためのものなのです。

私たちのモットーは、「食べたら、仲間入り 」です。

年齢、収入、文化を超えて、私たちは食を中心につながることができます。

有機的なプロセスと小さな行動の力を認識することで、私たちは再び自分自身を信じ始めることができます。

さらに私たちは、より優しい未来を築く能力を信じることができるのです。」

「インクレディブル・エディブル」運動はイギリス全土に広がり、この運動がどのように広がっていくのか、世界中が注目しています。

飛びつく前に見ることは重要ですが、単純な行動が周囲の世界を変えることもあります。

それは信じられないことですよね？