Lesson3 “Environment or Orangutans?”

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野生の類人猿に出会うことは、ほぼありません。

ボルネオの熱帯雨林を数時間かけて歩き、初めて私たちよりも高い位置にいる類人猿を見た私たちは、驚きのあまり黙ってしまいました。

それは「森の人」オランウータンです。

完全に野生で、人間にまったく慣れておらず、私たちの存在に気づいていながら興味を示さないその巨大な猿は、アクロバットのようにゆっくりと木々の間を揺れ動きます。

自然は制御も破壊もできないように見えますが、実は蝶の羽のように弱いものなのです。

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国連環境計画の新しい報告書「オランウータンの最後の砦」によると、2020年代の初めまでに、ボルネオ島とスマトラ島の広大な熱帯雨林は消滅するといいます。

これは野生のオランウータンの絶滅を意味し、ここ数十年でオランウータンの数はすでに減少しています。

この大規模な破壊の原因は何なのでしょうか?

それは、パーム油が環境にやさしい貴重な燃料として使われるようになり、パーム油田が大幅に増加したことにあります(下のグラフ参照)。

確かに、エコに関心のある人たちによると、パームオイルは、地球温暖化防止に役立つと言わかもしれません。

しかし、そうすることによって、地球上で最も愛されている種の一つを絶滅させる危険性があります。

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パーム油は、アフリカ産のアブラヤシの果実から得られる油です。

西アフリカでは古くから料理に使われ、最近では工業用としても多く使われています。

20世紀にはパーム油の使用は徐々に減少したましたが、最近になって再び人気が出てきています。

イギリスでは、石鹸やあらゆる種類の惣菜の原料として使用されています。

現在、世界のパーム油のほとんどは、図のようにマレーシアとインドネシア、特にその巨大な熱帯の島々であるボルネオ島とスマトラ島で生産されています。

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このことは、多くの人にとって良いことです。

パーム油は、世界の貧しい地域に貴重な収入をもたらします。

健康の面もありますが、パーム油が世界的に注目されるようになったのは、地球温暖化対策としての可能性があるからです。

パーム油には植物由来の燃料を作るための原料も含まれており、地球温暖化に寄与しないとして、すでに一部のエコロジー志向のドライバーに利用されています。

このように、ヘルシー食材であり、エコな燃料源でもあるのです。

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運良くオランウータンを見ることができましたが、数日ボートで移動した先では、もうひとつのボルネオを見ることができました。

熱帯雨林は破壊され、荒れ地と化しています。

厳しい規則があるにもかかわらず、インドネシアのジャングル破壊の8割は違法に行われています。

森林がヤシに置き換わると、オランウータンやその他多くの欠かせない絶滅危惧種にとって最悪の結果を招きます。

パーム油は、人類の都市ジャングルの未来の燃料になるかもしれません。

しかし、悲しいことに、それはかけがえのない「森の人」を存在させなくする原因ともなりかねません。