Optional Lesson1 “Space Elevator”

Part1

「宇宙飛行士になれば、宇宙へ行ける」

多くの人が宇宙への旅を夢見ていますが、宇宙飛行士になるのは難しいことです。

しかし、夢をあきらめてはいけません。

新しい科学技術によって、もっと簡単に宇宙へ行けるかもしれないのです。

それは、「宇宙エレベーター 」と呼ばれるものです。

日本宇宙エレベーター協会（JSEA）の大野修一会長によると、海外旅行と同じように、誰でもこのエレベーターに乗って宇宙へ行くことができるようになるのだそうです。

これは単なるSFの話ではありません。

JSEAによれば、今世紀半ばには宇宙エレベーターが現実のものになるといいます。

Part2

宇宙エレベーターはどのようにして作るのでしょうか？

まず、地球上空約3万6千kmまで人工衛星を打ち上げます。

そして、衛星から地表までケーブルを伸ばします。

そのケーブルにエレベーターを取り付けると、ケーブルに沿ってエレベーターが昇り降りできるようになります。

宇宙エレベーターで宇宙に行くには、どのくらいの時間がかかるのでしょうか？

電気を使えば、エレベーターは時速200〜300kmで走ります。

ですから、地球上空100kmの宇宙まで20〜30分ほどで行くことができます。

人工衛星に到達するためには、1週間程度かかることになります。

リニアモーター技術を使えば、もっと短くなります。

Part3

宇宙エレベーターには、非常に長いケーブルが必要です。

その長さは約10万kmです。

これは地球の直径の約8倍の長さです。

また、これだけ長いケーブルは簡単に切れてしまうので、鉄の100倍以上の強度が必要です。

そんな長くて強いケーブルの材料は、誰も見つけることができませんでした。

これが最大の問題でした。

しかし、日本の科学者である飯島澄男博士が、1991年にケーブルに最適な材料を発見しました。

それは、「カーボンナノチューブ 」と呼ばれるものだ。

カーボンナノチューブは、髪の毛の約5万分の1の細さで、鉄の20倍の強度があります。

今、研究者たちは、それを使って長いケーブルを作ろうと頑張っています。

Part4

現在、私たちは宇宙へ行くためにロケットを使っています。

ロケットは大量の燃料を必要とし、二酸化炭素を発生させます。

一方、宇宙エレベーターは、ロケットよりもずっと省エネで環境にやさしいものです。

上がるときに電気をたくさん使いますが、降りてくるときに電気を作ることができます。

その電気は、またエレベーターが上がるときに使うことができます。

宇宙エレベーターは、二酸化炭素を一切出しません。

宇宙エレベーターには、さらに大きな可能性があります。

火星など他の惑星にも宇宙エレベータを作ることができるかもしれないのです。

エレベーターがあれば、地球と他の惑星の間で、燃料を使わずに物を送ることができるかもしれません。

ハンマー投げのように、惑星の自転を利用するのです。

このような技術も、将来的には可能になるかもしれません。