Unit2 Lesson2 “Nihonium – A New Element Born in Japan”

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2017年、元素周期表に正式に新元素が追加されました。

それはニホニウム(Nh)です。

ニホニウムがユニークなのは、欧米以外で発見された最初の元素だからです。

森田浩介という研究者とそのチームによって日本で発見されました。

元素名は発見された地名「日本」にちなんで付けられました。

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元素とは、世の中のものを構成する基本的な物質です。

水素(H)、酸素(O)、炭素(C)などがその例です。

この世界に自然に存在する元素は、20世紀半ばまでにすべて発見されました。

それ以来、科学者たちは新しい元素を人工的に作り出そうとしています。

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ニホニウムは、亜鉛(Zn)とビスマス(Bi)という2つの元素を特殊な機械で超高速に衝突させることで合成されました。

森田教授のチームは2003年から新元素の合成実験を開始し、2012年にようやく合成成功の明確な証拠を見つけました。

この9年間に実験を約400兆回繰り返し、3回、目的の元素を作ることができました。

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ニホニウムは安定した元素ではなく、2ミリ秒しか存在できません。

そのため、人々の日常生活に直接役立つとは考えられていません。

しかし、元素を探索することは、世界そのものについての基本的な知識を提供します。

この知識は、科学者がより実用的な研究を行うために不可欠なものです。

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「私たちは、日本の人々に感謝の気持ちを込めて、新元素を『ニホニウム』と名付けました。

ニホニウムが周期表に載ることで、日本を誇りに思い、科学に興味を持ってもらえればと思います。

それが将来、日本の科学技術の発展につながれば嬉しいです。」と森田氏は言います。

nihonium (名)ニホニウム
periodic (形)周期的な; 定期の
compose (動)〈集められた素材が〉〈ものを〉構成する,〈…の〉基礎をなす
artificially (副)人工的に,人為的に
synthesize (動)〈…を〉合成する,合成して作る
collision (名)衝突,激突
zinc (名)亜鉛
bismuth (名)蒼鉛(そうえん), ビスマス
ultrahigh (形)超高な
evidence (名)(立証するための)証拠(物件), 物証; 証言
synthesis (名) 合成
trillion (名)一兆
target (名)(射撃などの)的(まと), 標的
millisecond (名)ミリ秒
therefore (副) それゆえに,従って,それ[これ]によって
direct (形)直接の
fundamental (形)基本の,基礎の,根源の,根本的な
practical (形)実用的な,実際に役に立つ