Lesson1 “A Swedish Girl’s Discoveries in Japan”

Part1

(1)
日本の文化には、海外の人が見て驚くようなものがたくさんあります。

彼らの目を通して、私たちは日本を新たに理解することができるかもしれません。

その一例として、ジャーナルコミックの「北欧少女オーサが見つけた日本の不思議」シリーズを紹介しましょう。

作者はスウェーデンの漫画家、アーサ・イェークストロムさんです。

(2)
オーサが13歳のとき、自国のテレビで日本のアニメ『美少女戦士セーラームーン』を観ました。

女性のキャラクターがみんな強いということに驚きを覚えました。

それまで見たことがありませんでした。

それ以来、日本との強いつながりを感じ、漫画家になることを夢見るようになりました。

イラストを描いたり、物語を書いたりした経験もあります。

そして、日本のアニメや漫画のキャラクターに囲まれた生活を送りたいと思うようになりました。

(3)
オーサはしばしば日本に来て、この魅力的な国をより深く知るために様々な地域を訪れました。

日本に来る前に知っていた日本語は、「芸者」と「侍」だけでした。

日本についてもっと知るようになると、ますます日本の素晴らしさを知るようになりました。

日本全国を旅するうちに、彼女は自分の発見を漫画にする気になりました。

gain(動)得る
understanding(名)理解,会得
Nordic(形)北欧(人)の
author(名)著者,作家,著述家
Swedish(形)スウェーデン(人)の; スウェーデン風の
Asa Ekstrom(名)オーサ・イェークストロム
guardian(名)保護者,守護者,監視者; 保管所
illustration(名)(本の)さし絵,図版,イラスト
surround(動)〈…を〉囲む,取り巻く; 包囲する
fascinating(形)魅惑的な,うっとりさせる(ような), すごくおもしろい[美しい]
motivate(動)〈…に〉動機[刺激]を与える,興味を起こさせる
discovery(名)発見

Part2

(4)
2011年、ついにオーサは日本で暮らすことになりました。

そこで、彼女の目から見た日本の発見をご紹介します。

おにぎりとカップヌードルの不思議

(5)
「コンビニのおにぎりが大好きなのですが、包みをほどくのは時間がかかるので嫌でした。

外し方を発見したときは、大喜びでした!

とても簡単で便利でした。

外国の方は、このような便利さに慣れていないのですね。

カップラーメンも大好きなのですが、容器の底に蓋をまくためのシールがあるのは知りませんでした。

なんて気が利いているんでしょう!

日本の商品には、ちょっとした優しさがあると思います。

でも、それがあまりに小さくて気づかないこともあります。」

日常生活の不思議
(6)
「日本のデパートでは、私が買ったものを店員さんが丁寧に美しくラッピングしてくれるんです。

私は好きですが、紙の無駄遣いだと思います。

私は商品を包装したままではなく、帰宅後すぐに包装紙を捨てています。

また、銀行のATMの前で、店員さんがお客さんに丁寧にお辞儀をしているのには驚きます。

そんな寛容な姿勢に感謝です。

日本ではサービスやマナーが重要視されていますが、日本人はそこまでしなくてもいいと思います。」

unwrap(動)〈包んだものを〉あける,〈小包みなどの〉包装を解く
overjoy(動) 非常にうれしいか幸せであると感じさせる
sticker(名)のり付きレッテル[ラベル], ステッカー
container(名)容器,入れ物
lid(名)〔容器などの〕ふた
thoughtful(形)考え込んだ,思いにふけった
notice(動)〈…に〉気がつく,〈…を〉認める; 〈…に〉注目する
wrap(動)〔…に〕包む,くるむ
amaze(動)〈人を〉ひどくびっくりさせる,びっくり仰天させる
ATM(名)現金自動預け払い機
politely(副)礼儀正しく,丁寧に
appreciate(動)〈人の好意などを〉ありがたく思う,感謝する
generous(形)気前のよい,惜しみなく物[金,援助(など)]を与える

Part3

(7)
人生で一番大切なものは何でしょう?

この問いに、多くの日本人は 「仕事」と答えるのではないでしょうか。

しかし、多くのスウェーデン人は、ただ余暇を楽しむために仕事をするのです。

次ページの漫画で、仕事に対する考え方の違いを見ることができます。

(8)
スウェーデン人は「レジャーに時間を割くために仕事をする」と言います。

週末は仕事をせず、長期休暇をとり、老後を楽しみにします。

夏休みに働く人はいません。

オーサが5月にホテルに電話して8月の予約を入れたとしても、部屋を見つけるのはとても難しいです。

夏前には満室で、8月の連休明けにまた電話してくださいというのが通例です。
(9)
一方、日本人の仕事観は大きく異なります。

70歳のタクシー運転手が「仕事がない人生はつまらないから、定年後も働き続けている」と言ったのを聞いて、オーサは驚きました。

スウェーデンでは、高齢者は働きません。

Swede(名)スウェーデン人
leisure(名)(仕事から解放されて休息・レクリエーションに使う)自由時間,レジャー
reservation(名) (列車・ホテルなどの)予約,指定
remark(動)〈…だと〉言う
Sweden(名)スウェーデン

Part4

(10)
オーサは、日本人を親切で思いやりのある人だと思っています。

カップ麺の容器の蓋を押さえるために用意されたシールが良い例です。

また、銀行の行員のように、日本人はまじめで勤勉だとも思っているようです。

しかし、日本人は周りに合わせて行動することが多く、周りのことを考えすぎるところがあると指摘します。

(11)
「私のようなスウェーデン人は、いつも自分自身の幸せを考えています。

他人からどう思われるか、他人とどう違うかを気にすることは重要ではありません。

スウェーデンの言葉、ラーゴムを紹介しましょう。

「ちょうどいい幸せ」という意味です。

つまり、『多すぎず、少なすぎず』ということです。

天気のこと、仕事のこと、気持ちのこと……どんなことでも「今日はラーゴムだ」というようにラーゴムを使うんです。

日本人は働きすぎ、やりすぎるところがあると思う。

ラーゴムは彼らにとって良い言葉でしょう。」

(12)
オーサは、文化の違いから身の回りの小さなことまで、日本での様々な発見をコミックで表現しています。

4コマ漫画の中には、オーサにとって驚きでありながら、私たちにとっては当たり前のことが描かれています。

異なる価値観に触れ、今まで気づかなかったことに気づくことで、視野を広げることは大切なことです。

considerate(形)思いやりのある
hardworking(形)勤勉な,働き者の,勉強家の
describe(動)〈…を〉言葉で述べる,記述する,描写する
frame(名)枠組み,フレーム,温床
widen(動)〈…を〉広くする
perspective(名) (…な)考え方,見方
expose(動)さらす
value(名)価値
previously(副) 以前に[は], 前もって
unaware(形)〔…を〕知らないで,〔…に〕 気づかないで