Lesson9 “The World’s Poorest President”

Section1

2012年、リオデジャネイロで地球サミットが開催されました。

そのテーマは環境問題でした。

当時ウルグアイの大統領だったホセ・ムヒカは、そこでスピーチを行いました。

環境問題というより、人間の幸福についてのスピーチでした。

演説の中で、ムヒカは聴衆にこう問いかけました。

「世界中のすべての人が車を所有したら、地球はどうなるのでしょう？

70億、80億の人々が豊かな西欧社会と同じライフスタイルを享受できるのでしょうか？

そのための十分な資源はあるのだろうか？」

今日、多くの人々が経済的発展を求めていますが、ムヒカはその傾向が地球を傷つけていると考えていました。

このスピーチには、地球のため、そして自分たちの幸せのために、人々がライフスタイルを変えなければならないという彼の信念が表れていました。

Section2

ムヒアは1935年、モンテビデオの貧しい地域に生まれました。

彼が20代前半の頃、ウルグアイの経済が落ち込みました。

彼は貧富の差を憂慮するようになりました。

ムヒカは政治改革が必要だと考えました。

彼は軍事政権と戦い、4回逮捕されました。

ムヒカが刑務所で過ごしたのは13年間でした。

しかし、彼はウルグアイをより良い国に変えるという希望を捨てませんでした。

1985年、彼はついに釈放されました。

社会を変えたいという強い意志を失わず、10年後には政治家になりました。

そして2010年、第40代ウルグアイ大統領に選出されました。

Section3

ムヒカはサミットでの演説で、その名を世界に広く知らしめました。

彼はその生き方から「世界で最も貧しい大統領」と呼ばれました。

ムヒカは実際、とても質素な暮らしをしていました。

彼は郊外の小さな家に住んでいました。

井戸から水を汲んでいました。

土地を耕し、そこで野菜や花を育てていました。

収入の90％ほどを慈善事業に寄付していたほどでした。

彼の唯一の財産はとても古い車でした。

幸せになるために派手なものを必要としたことはありません。

ムヒカはインタビューの中で、「私は今あるものでよく生きていける。私は最も貧しい大統領と呼ばれているが、貧しくはない。本当に貧しい人とは、高価なライフスタイルを維持するためだけに働き、もっともっとと際限なく欲しがる人たちです」と語りました。

Section4

演説の中でムヒカは、多くの人々が実際に必要以上にお金を稼ぐため、懸命に働いていると述べました。

「私たちは経済発展のためだけにこの世に生まれてきたのではありません。

私たちは幸せになるためにここに来たのです。」

ムヒカは、経済的発展を求めるあまり、人々が真の幸福を見いだせなくなることを懸念していました。

ムヒカは、真の幸福は物質的な豊かさではなく、愛に満ちた人間関係からもたらされると述べました。

彼の言葉は、人々が人生における重要な価値を認識する助けとなりました。

「開発とは、地球上の愛、人間関係、子供への思いやり、友人を持つこと、基本的な欲求を満たすことなど、人間の幸福に貢献するものでなければならない。

幸せは、私たちが持っている最も貴重な宝物なのです」とスピーチを締めました。